

句集2 靖子の丘
割烹着余韻の味染む花の陰 藻川亭 河童
2005.4.18
詩歌の世界で安易に語られる、雪月花。
そう簡単にお目にかかれるものではない。
何年前になるかなあ?藻川の河川敷土手の上だった。
凄まじい雪月花を体験し、子どもや大人と花見のやり直しを二次会でしたものだ。
空には満月、街灯に霞む満開過ぎの桜花。そして、
突然の牡丹雪。和服のご婦人でもおられたら設定は万全だ。
当地前なら和が印象的だが其の頃は若いだけで貧しさだけ。
ぎらぎらしてるだけだった。今から考えると魅力は無い。
男たるもの難しいなあ・・・・。
恒産ありて恒心なしか、とかくこの世はままならぬ。
断酒断煙6週間目に突入。
しかし、美味しい料理には美味しい酒は少しなら良い。
これは普遍的真理だ。
後れ毛や息寄せ合ひし花の雨 藻川亭 河童
2005.4.16
花の下の雨宿り。輝く顔でお互いの合格を祝福し合ってから僅か数十ヶ月。
素晴らしい力の持ち主の君は天に召されたと家人に聞いたのはかなり後。
ほんとうに初心だったのは吾のみかもしれない。
雨に濡れた後れ毛、40年の月日を越えても色香は褪せない。
四月になると思い出す。哀しい心の隙間である。
何色が相応しいだろうか?嗚呼!いい女だったなあ・・・。やす。57歳。
まだ恋はできますよ・・・・
ふるさとの丘の十字架花の舞 藻川亭 河童
2005.4.15
若くして身罷りし君はある意味、幸せだったのかも知れない。
こんなにもおそろしき世を覗く事も無いのだから・・
其の素晴らしい頭脳も自刃を留める事もあたわずや。吾が初恋の君。
夕闇迫る頃、広い広いグランドの端でただ黙って見詰ていた君の項。
テスト前のノートを渡すだけが精一杯だった。
同級生には若い教師に嫁いだやつも居た。
彼等の不純異性交遊に比すれば我らのは何としたものだ・・・・ 。
汗に滲んだブラウスの下の乳首にも乳房にもただ耐えていた、あの頃。
33回忌はとうに過ぎ、50回忌までは吾が持たずや・・・・
僅か数年の間に何があったのだろう・・・・
神に召された君 とこしえに幸いあれ
花過ぎてかくあるけふも終いけり 藻川亭 河童
2005.4.14
薔薇の芽やかぜに弾けてエクスタシー
桜蘂風に這われてエクスタシー
恍惚の風に這われし桜蘂
春寒や優しくなってキスをする
春風やミントの接吻二重奏
実も生るんだね蘂を集めし子等の午後 2005.4 藻川亭河童
渡辺淳一「男というもの」より抜粋参照
【・・・・エクスタシーを定義すると、性的に成熟した女性が性行為によって興奮の極みに達したとき、激しい快感とともに一時的には雲の上を浮遊するような、
ときには意識が虚ろになるような絶頂期とともに、膣の周りに血液が充満して膣内の温度が上がり、
内壁の粘膜が痙攣するといった、肉体的な変化を引き起こす状態、とでもいえばいいのかもしれません。】
さすがに、医者だけはあって描写が科学的であるが断定してないところが・・・妙である。
そうなのだ、多くの医者が学者が研究しているが、不確定部分が多いのが事実。
女は(創られる=醸成られる)のである。これは女性の蔑視でも何でもない。
其の証拠に、処女の頃に性交が気持ちよかったら大変だ。
女性は多くのバリアを越えて、精神的・肉体的に完成された人格の基に男と結ばれる。
それまでの、肉体的・構造的な抵抗感、妊娠の恐怖、社会的経済的な自立への不安、
幼少期のトラウマの克服、封建的な性に関する道徳観からの克服、など無数にある。
要するに、そんなに簡単に女は女にはならないのだ。
心にバリアがあるうちは相手の信頼は勝ち取れない。
男はスペルマを出しさえすればいい。
せいぜいぶるぶる振るえ、叫び、激しくピストンし、沈むぐらいのものだ。
後は背を向けて眠るように肉体的構造的にそう作られている。
女は違う。
仕込むほどに、発汗は酷くなり、腰のピストン,回転が自動化し、膣内は熱くなり、ペニスが痺れるような肉壁のひだがからんでくる。
勿論性器の周囲はどろどろべたべたじゅるじゅるにゅるにゅるの表現で良いだろうか?
下にシーツでも敷かないと困るときがある。
両脚は自動的=無意識的に背中に絡んで来、精液を漏らさない体制に入る。
構造上は抱き合った茶うす・座位が一番ベターベストかな。
精液は漏らさないし、会話は出来る、キスが出来る。これが大事。
ここから駅弁ファックに移行もできる。
背中に爪が立ち、逆ピストンが激しくなり、首が振られる。
呼吸は激しく、幼児のように、恥ずかしい言葉でも平気でオウム返しする。
かすかな汗の匂いと共にに万寿の匂いがしてくる。膣内は痺れる。
気をつけないと目がしろめになる。
ますます逆ピストンが激しく、腰を廻してくる。
性器を擦り付けて、漏らさない、全て吸い取ろうという本能を感じる。
所謂、完全に雌になる。
其の時男はこの女は自分のものになったと確信する。
しかし、此処で女は終わらない。男のペニスを握り、静かに呼吸を整える。
この状態では雄と雌は性器が神聖になる。
汚いというイメージを昇華し、お互いに嘗め回し、吸い尽くす。
二回戦に備えるようになれば完璧な熟女だろう。
しかし、ここまで至るには共同作業であることを忘れてはダメだ。
若いうちはそれが出来ない。入れて出せばいいという排泄機能しかないのだから・・・。
種の保存上それも仕方ない。
人は生殖の性から快楽の性を見つけた。
完成するには凄まじいまでの夫婦の雄雌に成るまでの協力が、人間愛が基本である。
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● > 秋から冬へと日常の心の在りよう・・・・
晩秋が寂しいというのは造られた情景の感がしてならない。
丘の貯水池の展望台に登って鉛色をした押しつぶされそうな
空の下に外人墓地が見える。
其処にやっちんは眠っている。
展望台までの路は普通の行き方ではかなりの距離であるが
村の者は山の中を近道するので綺麗な洋服では行かれない。
我が村の最高のデートスポットだったんだが、初心な河童は
そんな事考えもしなかった。
灰色の空に紫尾山の颪が吹きつけても心は燃えていたんだろう。
青春とはそういうものだ。
寒いからではないのだ。
冬の我が目に飛び込んで来る全てのものが哀しいのである。
春が必ず来る事はわかっていても、キャンバス全体に塗られた
鉛色が重たいのである。
その心の澱は熱燗でも癒される事は無い。
それほどたった一人の弟チイちゃんと初恋の人やっちんの死は
河童のはらわたにまで沁み込んでいるのである。
いずれも寒い寒い冬であった。
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夕べ、遠くから夜汽車の汽笛が聞こえた気がしたんだ。
縁側の端っこが河童の勉強場所だった。
下からは風が遠慮無く上がって来た。
冬は莚を敷いて火鉢に炭を熾し、足元に置いていた。
頭寒足熱だ。どうだ!知ってるか!
なんてやせ我慢して、やっちんと競争して勉強もした。
特急はやぶさ・なは・きりしま・急行かいも号などが
博多に向かって過ぎ去っても、貨物列車が夜遅く橋梁を渡る。
その時の警笛が聞こえるのだ。
嗚呼!やっちんも聞いてるな!と、思いながら・・・
河童は純情すぎたんだ。
あの頃、同級生と結婚した若い教師がたくさんいた事を
考えると情けなくなる。
地元にやっちんという素晴らしい女がいたんだ。
親は毛唐の子と蔑んでいたが・・・・
河童に力があったら歴史は変わっていたんだ。
勝 承夫作詞
ドイツ曲
夜汽車
1 いつも いつも とおる夜汽車
しずかな ひびき 聞けば
遠い 街を 思い出す
2 やみの なかに つづくあかり
夜汽車の まどの 灯り
はるか はるか きえていく
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靖子てふとほき女の茶の樹咲く 藻川亭河童
靖子てふとほき女や一葉忌 藻川亭河童
綿入れや夜汽車の汽笛袖に入る 藻川亭河童
零れたる涙も凍みて夜汽車かな 藻川亭河童
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靖子 二集
| 化粧せぬ靖子のうつる初鏡 | 藻川亭河童 |
| 帯締めて靖子も女初詣 | 藻川亭河童 |
| 化粧の間靖子は湯冷めをせぬかしら | 藻川亭河童 |
| ものがたり靖子の死ぬるは冬となり | 藻川亭河童 |
| 報恩講慈悲を頂く小春かな | 藻川亭河童 |
| 木枯しや靖子が丘で待つと言ふ | 藻川亭河童 |
| 還暦を迎えて靖子の小さき足袋 | 藻川亭河童 |
| 天神の池の水鳥靖子に似たるかな | 藻川亭河童 |
| 恋ひ焦がれいのち靖子の霙かな | 藻川亭河童 |
| 張りとほす靖子の意地や空つ風 | 藻川亭河童 |
| 笑窪ある靖子のおしゃべり小春かな | 藻川亭河童 |
| 冬木立へんねじてふ字女偏 | 藻川亭河童 |
| それぞれのさだめと言ふも歳の暮れ | 藻川亭河童 |
| 十劫の彼方に靖子のスワンかな | 藻川亭河童 |
| 靖子てふ女に生れ冬の蝶 | 藻川亭河童 |
| 狂ひても靖子は吾が胸実千両 | 藻川亭河童 |
| 彼岸花靖子と逢瀬の丸木橋 | 藻川亭河童 |
| うすばかげろふむかし靖子の泣きしかを | 藻川亭河童 |
| 待宵や靖子に女の客のあり | 藻川亭河童 |
| ほほづきに女盛りの靖子かな | 藻川亭河童 |
| 夕顔ひらき靖子は何時も騙さるる | 藻川亭河童 |
| 不如帰靖子の丘の上に鳴く | 藻川亭河童 |
| 鱚釣りの靖子の横に漢在り | 藻川亭河童 |
| 靖子には靖子の坂あり著莪の花 | 藻川亭河童 |
| 鉄線花靖子のノートの美しく | 藻川亭河童 |
| 砂糖黍かじりて靖子と丘の上 | 藻川亭河童 |
| 姫女苑靖子の淡き青い翳 | 藻川亭河童 |
| 柔肌の靖子のみ食う薮蚊かな | 藻川亭河童 |
| 蛍火や靖子の道を追ひにけり | 藻川亭河童 |
| 手花火の思ひを靖子の墓に告ぐ | 藻川亭河童 |
| 靖子老ひ七夕竹はあの世にて | 藻川亭河童 |
| 繭となる女靖子のねむりかな | 藻川亭河童 |
| 天神の女柳や靖子逝く | 藻川亭河童 |
| 菜の花や靖子の墓はクリスチャン | 藻川亭河童 |
| 靖子逝き髪透くまでの花かがり | 藻川亭河童 |
| 靖子泣き赤い夕日や葱坊主 | 藻川亭河童 |
| 土濡れて靖子の丘に芽ぐむもの | 藻川亭河童 |
| 春雷や靖子のキャンパス女島 | 藻川亭河童 |
| ぬかづけばわれも靖子と春霞 | 藻川亭河童 |
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暮れなずむ靖子の丘に影冴ゆる 藻川亭河童
回忌てふ靖子の丘の白南天 藻川亭河童
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